eスポーツレースゲーム&ゲームレビューブログ

Which is the better? ~①地上波時代はもう終わり?~

 どうもマットネンです。4月に入って環境も変わり、全然走れてないので、文章系でしばらくお茶を濁そうと思います。僕は3月までずっとインターネット文化の研究をしてきたわけですが、企業勤めになりそれを活かす機会も少なくなってきたので、こういうところで活かしていきたいと思います。
 今回のテーマは巷で聞く「モータースポーツに地上波放送は必要かどうか」問題です。この問いを、学問を修めてきた人っぽく考察してみたいと思います。

 テレ東系の『GTプラス』が3月に終了しましたが、その時に多く見られた声が「モタスポの灯が消えてしまうのでは」というものでした。色々言いたいことはありますが、一番に言えるのは「日曜日の23時半から興味のないジャンルの番組見ますか?」って話です。『激G』の時みたいに17時半から放送していたのならまだしも、翌日が平日の深夜に放送されていたのであれば、新規層の上澄みは正直ほとんどないです。

 時代も変わりました。早い話が「テレビをぼんやりつける時代」の終わりです。現代の映像娯楽は「自分の好みのチャンネルをチョイスする時代」です。加えて「無料で何となく享受する時代」から「サービスに対して対価を払う時代」にもなりました。サブスクリプションの爆発的な普及と認知がここ数年であらゆるものを塗り替えていったのです。
 現代人は自分の好きなものに対してなら割とお金を落とします。情報通信白書を見ても、20代と30代はインターネットで商品やサービス、デジタルコンテンツを購入する割合が他の世代や全体平均と比べても高いです 。また地上波における広告収入が減少している一方で、インターネット広告の収入はどんどん増加しています。
 まとめると、インターネット時代になって、「自分の好みのチャンネルを選んで対価を払う」文化が大きく発展しました。というよりもかなり当たり前になりました。これは映像文化に限らず様々な分野で起きています。世に言うフィルターバブルな現象です。こうなってくると、これまで頻繁に起きていた「偶然」のチャンスを掴むことは非常に難しくなってきます。

 じゃあこのまま衰退したコンテンツはただ消えるのを待つのみですかと言えば、そうでもありません。別の形での「偶然」が仕掛けられるようになりました。最近のソーシャルメディアのプラットフォームもそれを狙っています。これまでリアルな世界で起きていた「5買うつもりで10買う」現象をインターネット上でも起こそうとしているのです(そっちの方がやっぱり儲かるしね)。
 それが様々なプラットフォームで採用されているこれまでの検索や閲覧データからオススメしてくるレコメンダシステムです。Amazonがこの手法で大きく販売網を拡大しましたが、別ジャンルであるTwitterやYouTube、Netfrixも同様のシステムを確立していると言えます。
 もう言いたいことが分かる人もいるかもしれませんが、日本のモータースポーツ視聴の文化を今後も持続可能なものにするのであれば、人口も多く偶然性もある程度あるインターネット・プラットフォームを狙ってCMを打ちまくるのが第一手になるはずです。DAZNはその辺上手くやっていていますが、GTAやjsportsはこの辺奥手で中々これまで活用してきませんでした。テレビ需要の減少は事実としてあるので、それを踏まえた上でのより良い選択をとにかくやっていくしかないのです。
 結局のところ、「見てもらう」「知ってもらう」ためにはどのような方策を取るべきかを、現代文化の中でという制約の中で考えなければならないのです。だからこその動画タイトル(Which is the better?) につながります。Bestなんて誰も分からないので、より良い(better)をひたすら追い求めていくことが大事です。


 最後に提案を一つするならば、日本のモータースポーツ関連企業はYouTubeでの6秒広告を大量に打って、試用期間への誘導を積極的に行うことです。あとは、無料で「知れる」ことを増やして知らない人への取っ掛かりを作ることです。時代の潮流に合わせた動きができれば、今のF1のように人気が出るんじゃないかなと思います。

 次回の内容はまだ決まっていませんが、おそらく「動画」の話になると思います。GW明けまでには出したいので、頑張って書きます。

モバイルバージョンを終了