レスダウンフォースの極意② waki-Lauda | eスポレース

レスダウンフォースの極意② waki-Lauda

 ここでは、私がレスダウンフォースのマシンで、ハイダウンフォースセットの車に対してどのように戦って来たか、そしてどのような練習をしたかを説明して行こうと思う。

まず、レスダウンフォースでレースに挑むのならば、レスダウンフォースの長所と短所を理解していなければならない。レスダウンフォースの長所は、最高速が伸び、ストレートでオーバーテイクがしやすい事と、最高速が伸びるのでディフェンスが強い事だ。
そして短所は、タイヤの寿命が短い、コーナーリングが遅い、曲がりにくい、予選のタイムが出にくい、トラクションが掛かりにくい、ブレーキが効きにくい事である。
見てわかる通り、長所よりも短所が多いが、練習次第で短所をある程度補う事が出来る。これらを理解した上で、次のステップであるハイダウンフォースマシンとの戦い方を説明して行こうと思う。

 まず、レスダウンフォースでレースをする時に気をつける事の1つ目は、アンダーカットをされないようにすることだ。
レスダウンフォースの車は、非常にタイヤの摩耗が早く、ハイダウンフォースの車と比べたらレースラップも劣る。序盤にひたすらブロック出来ても、アンダーカットをされてしまっては、アンダーカットされた車に、どんどん離されて行くのがオチだ。アンダーカットを防ぐ為には、相手のタイヤの種類にもよるが、予定のピットインよりも2周早めに入るくらいが丁度よい。そうすれば、アンダーカットされる事なく、持ち前の最高速を使って、ある程度相手の攻撃を防ぐ事が出来る。

 そして、2つ目はタイヤマネージメントをきちんとする事。冒頭で説明した通り、レスダウンフォースはタイヤの摩耗が激しい為、ハイダウンフォースのマシンと比べたら、タイヤの寿命が直ぐにやってくる為、いくら最高速を伸ばしていても、立ち上がりが悪くなり、ハイダウンフォースの車がレスダウンフォースの車を抜く事は容易くなる。それを防ぐ為には、序盤の3〜4周はプッシュしないことだ。そうすれば、ハイダウンフォースの車の平均的なタイヤ摩耗とほぼ同じになる。

 3つ目は、コーナーで後ろから揺さぶられても、焦らない事だ。レスダウンフォースの車はコーナーリングがかなり遅い為、当然ハイダウンフォースの車にコーナーで一気に差を詰められる。後ろの車から、コーナーで左右にプレッシャーを掛けられるのは、誰しも好きでは無い。しかし、レスダウンフォースセットだった場合は、これを喜んで良い。何故なら後ろのマシンは、ストレートで抜く事が出来ないから、コーナーでプレッシャーを掛け、ミスを誘うしか方法が無いからだ。そうなると要所要所のコーナーできちんと抑えて走っていれば、ミスをしない限りそう簡単に抜かれる事は無いだろう。

 そして最後に、レスダウンフォースセットを操るために、私が行った練習法を紹介したいと思う。
レスダウンフォースセットを最大限に活かすためには、トラクションがキーになってくる。これで最高速にかなりの差が出ると言って良い。トラクションを掛ける練習をするのなら、ウェットが一番だ。ウェット路面をロスなく立ち上がる事が出来れば、ドライ路面でレスダウンフォースのマシンも、立ち上がりでロスなく、本来のポテンシャルを引き出せる筈だ。慣れてきたら、ドライタイヤでウェット路面を走る練習をしても良いだろう。レスダウンフォースの車を操れるようになるのと同時にウェットも速くなる事も可能だ。

 2つ目は、コーナーを速く回る練習だ。ハイダウンフォースセットのマシンと比べたら、かなりコーナーは遅いが、レスダウンフォースの最大限のコーナーリングスピードを引き出せれば、戦える幅がかなり広くなる。練習するサーキットは、鈴鹿サーキットが良い。鈴鹿は高速コーナーも低速コーナーもあるから、練習には最適な場所だ。

 3つ目は、自分よりも速いAIに後ろから追いかけられる練習だ。これは、精神面を鍛える為のトレーニングで、レスダウンフォーサーには必須のスキルだ。自身のミスを少なくする事で、ストレートも抜けない、ミスをしない、相手にとっては脅威の敵に変身するだろう。

上記の3つを練習すれば、レスダウンフォースの弱点をある程度克服出来て、戦略の幅がかなり広がり、レースが楽しくなる。

このコラムが私と同じレスダウンフォースセットで戦う人達の参考になればと思う。
これで君も妖怪通せんぼジジィだ。

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